回路設計上気を付けたほうがよい周波数
コードレス電話機から遭難通信などに使用される周波数の電波が出ていた,という記事があります。
NTT東西が15年前に販売したコードレス電話機を回収へ,まれに遭難信号を勝手に発信 | 日経クロステック(xTECH)
ということで,回路基板からの不要輻射は無いに越したことはないのですが,回路設計上気を付けたほうが(避けたほうが)よい周波数をまとめてみました。 なお,遭難通信,緊急通信,非常通信にはもっと低い周波数も使用されていますが,基板からの輻射を考え*1,基本波がVHF帯*2より上の周波数のものに絞って記入しています。
まずは,遭難通信,緊急通信,非常通信に使用される周波数から*3。
周波数 [MHz] | 主な用途 |
---|---|
121.5 | 主に民間航空機用の緊急周波数,別名Vガード |
156.8 | 船舶で使用する国際VHF無線(国V)の16ch(呼出ch) |
243.0 | 主に軍用航空機の緊急周波数,別名Uガード |
406.0*4 | 遭難信号発生装置(船舶用のE-PIRBや航空用のELT)用 |
上記の周波数とその1/2周波数,1/3周波数がこちら。
周波数 [MHz] | コメント |
---|---|
40.5 | 121.5MHzの1/3周波数 |
52.27 | 156.8MHzの1/3周波数 |
60.75 | 121.5MHzの1/2周波数 |
78.4 | 156.8MHzの1/2周波数 |
81.0 | 243.0MHzの1/3周波数 |
121.5 | 121.5MHz |
135.3 | 406MHzの1/3周波数 |
156.8 | 156.8MHz |
203.0 | 406MHzの1/2周波数 |
243.0 | 243.0MHz |
406.0 | 406MHz |
ちなみに,各通信の違いは次の通り(電波法第52条)。
- 遭難通信 船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥った場合に行う無線通信
- 緊急通信 船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥るおそれがある場合に行う無線通信
- 非常通信 地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、又は発生するおそれがある場合において、有線通信を利用することができないか又はこれを利用することが著しく困難であるときに人命の救助、災害の援助、交通通信の確保又は秩序の維持のために行う無線通信
このほかにも,安全通信などが電波法に規定されています。