GoPro×書道パフォーマンス
書道パフォーマンスで行われる壁作品の映像は,どうしても人物の背中または横顔ばかりになってしまいます. こんなかんじに. そこで,頭上にカメラを設置してダイナミックな動画撮影をしてみました. この記事では機材の選定から実際の撮影結果までをご紹介します.
機材の選定
一般的なビデオカメラ,一眼レフカメラ,アクションカメラなど様々な機材がある中で,今回機材を選定するにあたり次のことを重要視しました.
- とにかく小型であること
- カメラの存在ができるだけ目立たないように
- 超広角レンズ搭載
- 無線操作ができること
- 最低限,録画開始の操作をしたい
- 長い駆動時間かつバッテリー交換可能
- 1パフォーマンス平均40分程度なので最低1時間は駆動すること
- 連続してパフォーマンスを行うことがあるため交換できるとよい
- カメラ備え付けの端子からケーブルを引っ張ってモバイルバッテリーに接続する方法は除外
- そこそこ安価
これら条件を満たす,アクションカメラ界隈で非常に有名なGoProのHERO4 Silver(2014年10月発売)を中古\12,000で購入. GoPro HERO4 Silverは手のひらに収まる小型サイズで170度の超広角レンズを搭載,スマホやタブレットからアプリを使って操作できるカメラです. バッテリーは互換品も数多く販売されており,交換しなくても2時間弱の撮影に耐えます*1.
GoProの設定
各設定値を次に示します. 太字が初期設定から変更した部分です.
項目 | 設定値 |
---|---|
Resolution(解像度) | 1080 SuperView |
Frames Per Second(フレーム/秒) | 60 |
Field Of View(視野角) | Wide |
Low Light(低光) | ON |
Spot Meter(露光計) | OFF |
Protune | ON |
White Balance(ホワイトバランス) | Auto |
Color(カラー) | GoPro Color |
Shutter(シャッター) | Auto |
ISO Limit(ISO上限) | 3200 |
Sharpness(画質) | High |
EV Compensation(EV修正) | +0.5 |
ResolutionをSuperViewにすることで,画角が最広角になります. どれくらい変化があるのか実験されたブログがありましたので,詳細はこちらをご覧ください. SuperView™の正体 [GoPro Hero3+] | TKYSSTD
また,ISO Limitを上げ,EV Compensationも+修正することで,暗い撮影場所でも対応できるようにしました.
GoProの設置
壁作品の用紙は縦2m×横3mあり,いくつかのクランプを使って固定しています. そこで,用紙の最上部中央を固定しているクランプにパーマセルテープ*2でGoProを固定しました. 書いているときの振動でカメラが落下しないよう,しっかりと貼り付けます. 特に前面部は録画中にランプが点灯するため目立つ上に,墨が付着する恐れもあるので入念に施し,レンズとマイク以外を完全に覆いました. なお,むき出しとなったレンズ部分には保護フィルタを装着しています. このフィルタは数百円で買えるので,もしレンズに墨が飛んでも大丈夫です.
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いざ,撮影
撮影した動画から抜き出した写真がこちら. 写真ではわかりにくいのですが,とても躍動感のある動画撮影ができました! 心配していた墨の跳ねもなく,終始良好です!
ただし,この体育館はSS1/250 F5.6 ISO6400(EV+7.0)くらいが適正露出となる明るさです. GoPro HERO4はF2.8のレンズなので,ISO Limitを3200にしているいま理論上SS1/500まで許容できます. シャッター速度の上限1/240に合わせたとしてもEV修正+1.0まで大丈夫でした. 全体的に暗くなってしまったので,もう少し設定を修正しておけばよかったな~と反省......
また,いくら画角170度の超広角といえど,若干用紙上部の左右が切れてしまっています. これは取り付け方でなんとかなる,かな......?
まとめ
バリエーションを増やす一つの手法として,非常に有効だと思います! 用紙の中央ではなく,左右にカメラを設置するのもいいかもしれません.
撮影に協力していただいた苫小牧高専書道部の皆さん,ありがとうございました!!