proxy環境下におけるTeXの導入
研究室に配属され,卒業研究に着手される方が多くなるこの時期.パソコンにTeXを導入される方も多いのではないでしょうか.
そんなとき,学校内のネットワークを使って導入しようとするとエラーが発生して導入できない,なんてことが多々あるかと思います.
この記事では,そんな学内ネットワーク(proxy環境下)においてTeXを導入する方法をご紹介したいと思います.
1.導入するTeX
国内においてTeXを導入するにはTeXインストーラ3を使う方法とTeX Liveを使う方法との2つが主流です.TeXインストーラ3はネットワークインストール形式の導入形式でproxy環境下では弾かれることが多いため,今回はTeX Liveでの方法をご紹介します.TeX Liveは以下のWebサイトからtexlive.isoを選択することで入手可能です.
Acquiring TeX Live as an ISO image - TeX Users Group
2.isoファイルのマウント(Windows7の方のみ)
※Windows8以降のOSを使っている方は読み飛ばしてください.
ダウンロードしたファイルはそのままでは開くことができません.そのため,7-Zip(圧縮・解凍用ソフト)を追加で導入する必要があります.7-Zipを入手したら,先にダウンロードしたtexlive.isoを展開してください.
また,申請・許可など諸々の事情で7-Zipを導入できない方は,Microsoft純正のVirtual CD-ROM Control Panelが良いでしょう.
Virtual CD-ROM Control Panelの解説ページ:
Windows 7でISOイメージをマウントするMS純正ソフト(32ビット版のみ): EeePCの軌跡
3.まずは最小構成で導入する
texlive.isoをマウント(展開)したら,フォルダ内のinstall-tl-advanced.batを実行します.すると,次のような画面が表れると思います.
この画面が現れたら,--- 基本情報 ---にある"選択したスキーム"の右端,"変更"ボタンをクリックします.すると,
という画面が表れるので,"最小限スキーム"を選択して"OK"ボタンをクリックします.
あとは"TeX Liveの導入"ボタンをクリックして,しばし待ちます.すると,次のような画面が出てきます.この時点で最低限のTeXは導入されました.
ここでなぜ最小限スキームを選択したかというと,TeX Liveでの導入途中に障害が発生し,インストーラが固まった挙句導入に失敗するという問題がよく見られるからです.そこで最小限の構成で導入し,後に足りないものを補う,というのが今回の手法です.
4.TeX Live Managerを使って足りないものを補う
TeXでは表を作ったり図を挿入したりという機能1つずつがパッケージという仕組みにより提供されています.このままでは何一つTeXを使うことができないので,先程導入しなかったパッケージ群を一気に導入したいと思います.
3.によりTeXの最小限スキームの導入が終わると,TeX Live Managerというソフトウェアが入ります.まずはこれを起動します.起動すると次のような画面が表示されます.
tlmgrタブから,”他のリポジトリの読み込み”をクリックします.すると画面が出てくるので,"ローカルディレクトリを選択してください"から,先のtexlive.isoがマウントされているドライブ,または解凍してあるディレクトリを選択して"読み込み"をクリックします.すると,リポジトリの項目に"読み込み完了"と表示されるので,"表示設定"の"状態"から"未導入"を選択肢,右端にある"すべて選択"をクリックし,最後に導入をクリックします.簡単なクリックの流れは次の図の通り.
3000を超えるパッケージを導入するので,かなりの時間がかかりますが,待機.全て導入が終わると下のメッセージボックスに"完了 ."とひとことメッセージがでます.以上がproxy環境下におけるTeXの導入でした.
いかがでしたでしょうか,無事導入することはできましたか?
最後に,これからTeXを使われる方へ,教科書代わりに使える本をご紹介して終わります.