kazu_1995’s diary

北の高専→大学生→院生→社会人のブログ

いざという時にも安心?!電気系学生に追加でおすすめする工具6選

昨日の記事(1万円で揃える電気系学生におすすめの工具10選)に追加で,いざという時にも対処するための工具などを6つ,ご紹介します.

 

1.テスター

故障の判定や,導通確認,短絡確認といった基板のチェック,電源から出力される電圧/電流の測定など,様々な用途に使えるのがテスター.巷には数多くのテスターがありますが,サンワのCD771がコストパフォーマンスに優れる1台です.数台持っていても損はありません.

SANWA デジタルマルチメータ バックライト搭載 CD771

SANWA デジタルマルチメータ バックライト搭載 CD771

 

また,テストリード先端に接続できるアクセサリも多数販売されているので,用意してあると中々便利です.

三和電気計器 クリップアダプタ CL-14(わに口クリップ)

三和電気計器 アダプタ TL-A4(バナナプラグ・直安の端子に直接挿入)

サンハヤト ブレッドボード用オプション SUP-200 テスター棒用(ブレッドボード挿入用)

三和電気計器 携帯用ケース C-77(CD771用ケース)

 

2.ラジオペンチ

ちょっとした曲げ加工や,スペーサ代わりに使ったり,ピンセットでは歯がたたないときに登場するのがラジオペンチ.ナットを緩めたり(締めるのは微妙),太い電線の切断にも使用できます.ハンマー代わりに打撃に使ったりも.マルト長谷川(KEIBA)のペンチ類はしなやかに,そして油を注すこと無くしなやかさが維持されるのでとても良いです.

ケイバ(KEIBA) ハイグレード ザ ラジオペンチ FC-306

ケイバ(KEIBA) ハイグレード ザ ラジオペンチ FC-306

 

 

3.インシュロック

実験中,机の上に広がる多数の電線.基板と基板をつなぐ無数の電線.それらを束ねるのに使います.結束バンド,タイラップ,ロックタイ,もっと短くタイと呼ばれたりも.

 

4.ハンダ吸い取り線

間違えてはんだ付けをしちゃった,基板を改良しなければいけないなどなど,一度はんだ付けをした箇所からはんだを除去するのに使います.はんだが少量であればはんだこてでも頑張れなくはないですが,やっぱり吸い取り線があると便利.

goot はんだ吸取り線 CP-3015

goot はんだ吸取り線 CP-3015

 

 

5.イソプロパノール

突然ですが薬品,アルコールです.これは汚れを除去するのに使います.普通の水では不純物が含まれているため電気が通りNG,なのでアルコールを使うのです.無水エタノールを使うこともありますが,値段が高いのでイソプロパノールと呼ばれるアルコールを使用します.イソプロピルアルコール,イソプロなんて呼ばれ方も.

【第3類医薬品】イソプロピルアルコール50%P 500mL

【第3類医薬品】イソプロピルアルコール50%P 500mL

 

 

6.キムワイプ

イソプロで洗浄した基板を拭くのに使うのがこのキムワイプ.普通のティッシュでは水を含むとボロボロになってしまいますが,キムワイプはそうなりません.キッチンペーパーのようなものです.そして鼻をかんだり,卓球*1にも使える優れもの.

 

いかがでしたでしょうか.他にもワイヤストリッパや圧着工具,スズメッキ線,パイオラン,あげるときりがないのでこの程度とさせていただきます.

前記事と同様,ここにある商品はすべてAmazon.co.jp以外でも購入ができます.ただし,テスターやイソプロは,そこらのホームセンターでは売っていないかと......

1万円で揃える電気系学生におすすめの工具10選

6年間もの高専生活を振り返って,本当に必要だった工具を1万円の予算から10個ご紹介します.

 

1.ニッパ(2000円)

恐らく一番使うのがこれ.電子部品の足や電線,インシュロックの切断に大活躍.リードストッパー付きのニッパーだと,切断したあとの小さい線が飛んでいかず,後片付けが非常に楽です.

3.peaks ニッパ リ-ドストッパ-付 130mm SP-31

3.peaks ニッパ リ-ドストッパ-付 130mm SP-31

 

リードストッパーが活躍する様子は以下の動画をご覧ください.

切った物が飛ばない=ステンレスニッパ(リードストッパー付)【SP-31】 - YouTube

 

2.はんだこて(4000円)

百均でも半田ごてを売っているそうですが,絶対に駄目です.初めてならなおさら,出力が高く,温調機能がついているこてを選んだほうが良いです.なぜなら,はんだ付け時のはんだのつきやすさが段違いだから.

 このgootのPX338は85Wの消費電力を有し,十分です.

グット 設定温度固定式はんだこて PX338

グット 設定温度固定式はんだこて PX338

 

 

3.プラスドライバその1(600円)

基板上の部品の調整や端子を締めたり,電気の世界でも意外に使うことが多いプラスドライバ.ドライバ(ねじ)のプラスの部分のサイズは小さい順からNo.00,No.0,No.1,No.2...とあります.小さいねじ用にはNo.0とNo.1とを持っていたらOK(本当は調整ドライバという電子部品用の特殊なドライバのほうがいいのですが).

 

4.プラスドライバその2(700円)

一方,電動機の端子なんかに使われるねじは少し大きく,No.2のドライバが適合することが多いです.ここでは先ほどとは違って,グリップの大きい,より力を入れることができるドライバがおすすめ.

 

5.マイナスドライバ(300円)

プラスドライバに続き,マイナスドライバもラインナップ.正直,ねじを締めるという用途よりも,何かをこじる,隙間をつくるような用途に多々使いました.

 

6.マスキングテープ(100円)

工具ではないのですが,あえてラインナップ.測定作業中,電線を机に仮止めしたり,多数ある計器に何を測定しているのかを示したり.はたまた,はんだ付け中に電子部品を固定したりと,多くの場面であったら便利な一品.

 

7.ノック式マッキー(200円)

そしてこのマスキングテープに文字を書くためにマッキー.視認性が良い,赤色のノック式をおすすめします(キャップ式はキャップを無くす恐れがあるため).

そしてもう一つ,恐らく図面を基にはんだ付けを行うと思いますが,終了した配線,部品を区別することや,基板自体に文字を書き込みたいときにも重宝します(なので蛍光ペンやボールペンではダメなのです).

 

8.ピンセット(300円)

ようやく工具に復活.ちょこまかとした作業をするとき,何度もピンセットに助けられました.逆接などの変わったやつではなく,普通のピンセットでOK.

 

9.直尺(300円)

寸法を測るため.15cm長であれば正直なんでも良いです.

 

10.工具袋(1500円)

せっかく揃えた工具も,持ち運びができなければ意味がありません.まとめてどかっと入れるタイプよりも,こういう多くのポケットがあるほうが整理しやすく便利です.こんなかんじ.

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いかがでしたでしょうか.このエントリでは最低限必要と思われる工具を取り上げてみました.

すべての商品はAmazon.co.jpで購入ができ,他にもヨドバシやモノタロウ,楽天など様々な場所で購入できると思います.

ここに紹介していない工具でも,この工具は僕にとって必須だった,これは使わなかったなどありましたら,是非コメントに残していただけると幸いです.

 

(4/2追記)続き

いざという時にも安心?!電気系学生に追加でおすすめする工具6選

論文やレポートを書くときに - SISTのご紹介

参考文献の書き方や雑誌名,団体名の表記方法など,簡単そうで意外に書き方がわからないとき,ありませんか?論文やレポートを書くときのお供に,JSTが策定したSIST(科学技術情報流通技術基準)がおすすめです.

jipsti.jst.go.jp

このSISTは論文やレポートといった学術情報の記述方法について定めた文章です.基本的に少しお固めな文章ですが,”小冊子「参考文献の役割と書き方」”は参考文献の書き方だけに的を絞り,とてもわかりやすく書かれています.

この小冊子を例にすると,そもそも参考文献の役割とは何か?から始まり,雑誌記事を参考にするとき,Webサイトを参考にするとき,参考文献と本文との関連付けの方法など非常に事細かに事例があげられています.

他にも「学術論文の執筆と構成」も一見の価値ありです.

小冊子「参考文献の役割と書き方」またはSIST 02,そしてSIST 08を自分用や研究室に1部,いかがでしょう.

 

また,予稿集など限られたスペースに参考文献を記述しないといけない場合.電気,情報系であれば,電子情報通信学会の以下のファイルが参考になります.

付録E.学術雑誌略語表(電子情報通信学会)

Terasic DE0ボードの入力保護ダイオード

Terasic DE0ボードには,GPIO0とGPIO1とで2つの汎用入出力が備わっていますが,そのうちのGPIO1は全信号線で,信号線から3.3V電源及びGNDへの入力保護ダイオードが接続されています.

このダイオード,パッケージにある刻印”WV4”から,NXPのショットキーバリアダイオード,BAT54Sであるかと思われます.

 

このBAT54S,素子1つにつき逆方向電流が0.4uA(25℃,VR=3V)端子容量が3pF(同)*1 であることから,高速な信号の入出力を行いたいときはGPIO0を使用したほうが良いかもしれません.

 

ちなみに,このダイオードをうまく活用すれば,5V入力ができる……?(危険)

*1:BAT54 seriesのデータシート http://www.nxp.com/documents/data_sheet/BAT54_SERIES.pdf より

卒業研究を行う上で重要な5つのこと

※この記事は苫小牧高専 Advent Calendar 201619日目の記事です.

 

僕が高専で今まで約8ヶ月卒業研究を行い,とくに重要だなと感じた5つのことをまとめてみました.

1.研究室メンバーとコミュニケーションをとる

4年も同じクラスにいたのになにを今更,と思うかもしれませんが,最低限研究の進捗度はお互い交換しておいたほうがよいです.

発表のスライドを見せ合ったりとか,研究を助けあったりとかetc...

 

2.原理を理解する

卒研は課題や宿題と違い,どんな実験をしたらいいか?に始まり,一つの論文としてまとめあげるまで,1年間すべて自力で行います.自分の研究テーマについて基本原理を理解していないと,そもそも実験を立ち上げられないですし,実験結果と理論とが合致しているかの比較もできませんし,論文執筆の時点でそうとう苦労する羽目になります*1

どこまで理解すればいいか,これは難しいところですが,研究室メンバーに原理を話したとき,専門用語一語に至るまで完璧に理解してもらえるかを一つのラインとしていました.

ただし,判断が難しいのが,時間は有限であるということです.例えば就職する学生がTeXについて高いレベルで理解する必要があるか,と言われると,それよりはOfficeの使い方を*2,そもそもツールの学習に割ける時間はあるのか?となります*3

 

3.多くの文献や人とふれる

そして原理を理解するためにはあらゆる手段を講じるべきです.先行研究や学会論文,トランジスタ技術などの雑誌類,専門書,Web記事といった文献調査もそうですし,研究室メンバーや指導教員,他学科の先生や外部の方々など誰かに聞いてみるのも手です.

聞くは一時の恥,聞かぬは一生の恥と言います.とにかく各方面にアンテナを伸ばしてみましょう.思わぬ発見につながるかもしれません.

 

4.実験過程を記録する

実験結果だけではなく,実験過程も事細かに記録しておきましょう.

プログラムにはコメントをしっかり書く*4,回路製作をするなら抵抗値やf特性の決定理由を残すなどなど......

実験を再現する必要が出たり,または資源を再利用しようとしたときに大いに役立ちます.

 

5.卒研担当教員とうまくお付き合いをする

たとえどんなに馬が合わない先生であっても,そこは1年間お世話になる身.うまくお付き合いしましょう.そうそう,進度報告はときに隠すことも重要です.僕ですか?していませんよそんなこと.

 

 おすすめの文献

結構お世話になった3冊の本をご紹介します.すべて図書館に所蔵しています.

スタディスキルズ―卒研・卒論から博士論文まで、研究生活サバイバルガイド

スタディスキルズ―卒研・卒論から博士論文まで、研究生活サバイバルガイド

 
理科系の作文技術 (中公新書 (624))

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

 

 

いかがでしたでしょうか?この5つで,きっと1年間の卒研生活を乗り越えられると思います.これが少しでも手助けになれば幸いです.

 

翌日の苫小牧高専 Advent Calendar 2016はぽつねんくんの日です.

*1:論文は最低50pは書きますが,うち頭20~30pは原理,またはそれに近いことを書きます.

*2:企業でTeXは使いません.ExcelExcel方眼紙含む),Word,PowerPointの3つが重要.

*3:学習コストの問題

*4:リーダブルコードがおすすめです.

国際航空宇宙展に行ってきました

2016年国際航空宇宙展,Japan International Aerospace Exhibition 2016(JA2016)が今月12日(水)~15日(土)の期間開催されました.

BtoBなイベントですが,業界の動向や,技術に触れるといった面で,大変勉強になる展示会でした.特に航空・宇宙産業は要求されるものが格段に違うことから,そういった面でもとても貴重な機会でした.

多くの展示物のなかで,特にNIPPI(日本航空機)のコイラブル伸縮マストが面白かったです.GFRPを採用し,そこそこの強度を確保している,とのこと.何かに使えないかな......

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また,写真はないのですが,Data Device Corporation製のモータドライバ・モータコントローラ,名刺より少し大きいくらいのサイズで,こんな高性能なの?!と驚くような製品でした.

北海道からはインターステラテクノロジーズも出展していて,今熱い宇宙開発の現場を垣間見ることができました.

 

他には屋外展示のF-35モックアップや,

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同じく,海上自衛隊UH-60J(48-4579機),

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ボーイング社のブースあたりの写真を.

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次は4年後,2020年の開催です.

ちなみに,来月にはJIMTOF(日本国際工作機械見本市)が開催されます.