kazu_1995’s diary

北の高専→大学生→院生→社会人のブログ

論文やレポートを書くときに - SISTのご紹介

参考文献の書き方や雑誌名,団体名の表記方法など,簡単そうで意外に書き方がわからないとき,ありませんか?論文やレポートを書くときのお供に,JSTが策定したSIST(科学技術情報流通技術基準)がおすすめです.

jipsti.jst.go.jp

このSISTは論文やレポートといった学術情報の記述方法について定めた文章です.基本的に少しお固めな文章ですが,”小冊子「参考文献の役割と書き方」”は参考文献の書き方だけに的を絞り,とてもわかりやすく書かれています.

この小冊子を例にすると,そもそも参考文献の役割とは何か?から始まり,雑誌記事を参考にするとき,Webサイトを参考にするとき,参考文献と本文との関連付けの方法など非常に事細かに事例があげられています.

他にも「学術論文の執筆と構成」も一見の価値ありです.

小冊子「参考文献の役割と書き方」またはSIST 02,そしてSIST 08を自分用や研究室に1部,いかがでしょう.

 

また,予稿集など限られたスペースに参考文献を記述しないといけない場合.電気,情報系であれば,電子情報通信学会の以下のファイルが参考になります.

付録E.学術雑誌略語表(電子情報通信学会)

Terasic DE0ボードの入力保護ダイオード

Terasic DE0ボードには,GPIO0とGPIO1とで2つの汎用入出力が備わっていますが,そのうちのGPIO1は全信号線で,信号線から3.3V電源及びGNDへの入力保護ダイオードが接続されています.

このダイオード,パッケージにある刻印”WV4”から,NXPのショットキーバリアダイオード,BAT54Sであるかと思われます.

 

このBAT54S,素子1つにつき逆方向電流が0.4uA(25℃,VR=3V)端子容量が3pF(同)*1 であることから,高速な信号の入出力を行いたいときはGPIO0を使用したほうが良いかもしれません.

 

ちなみに,このダイオードをうまく活用すれば,5V入力ができる……?(危険)

*1:BAT54 seriesのデータシート http://www.nxp.com/documents/data_sheet/BAT54_SERIES.pdf より

卒業研究を行う上で重要な5つのこと

※この記事は苫小牧高専 Advent Calendar 201619日目の記事です.

 

僕が高専で今まで約8ヶ月卒業研究を行い,とくに重要だなと感じた5つのことをまとめてみました.

1.研究室メンバーとコミュニケーションをとる

4年も同じクラスにいたのになにを今更,と思うかもしれませんが,最低限研究の進捗度はお互い交換しておいたほうがよいです.

発表のスライドを見せ合ったりとか,研究を助けあったりとかetc...

 

2.原理を理解する

卒研は課題や宿題と違い,どんな実験をしたらいいか?に始まり,一つの論文としてまとめあげるまで,1年間すべて自力で行います.自分の研究テーマについて基本原理を理解していないと,そもそも実験を立ち上げられないですし,実験結果と理論とが合致しているかの比較もできませんし,論文執筆の時点でそうとう苦労する羽目になります*1

どこまで理解すればいいか,これは難しいところですが,研究室メンバーに原理を話したとき,専門用語一語に至るまで完璧に理解してもらえるかを一つのラインとしていました.

ただし,判断が難しいのが,時間は有限であるということです.例えば就職する学生がTeXについて高いレベルで理解する必要があるか,と言われると,それよりはOfficeの使い方を*2,そもそもツールの学習に割ける時間はあるのか?となります*3

 

3.多くの文献や人とふれる

そして原理を理解するためにはあらゆる手段を講じるべきです.先行研究や学会論文,トランジスタ技術などの雑誌類,専門書,Web記事といった文献調査もそうですし,研究室メンバーや指導教員,他学科の先生や外部の方々など誰かに聞いてみるのも手です.

聞くは一時の恥,聞かぬは一生の恥と言います.とにかく各方面にアンテナを伸ばしてみましょう.思わぬ発見につながるかもしれません.

 

4.実験過程を記録する

実験結果だけではなく,実験過程も事細かに記録しておきましょう.

プログラムにはコメントをしっかり書く*4,回路製作をするなら抵抗値やf特性の決定理由を残すなどなど......

実験を再現する必要が出たり,または資源を再利用しようとしたときに大いに役立ちます.

 

5.卒研担当教員とうまくお付き合いをする

たとえどんなに馬が合わない先生であっても,そこは1年間お世話になる身.うまくお付き合いしましょう.そうそう,進度報告はときに隠すことも重要です.僕ですか?していませんよそんなこと.

 

 おすすめの文献

結構お世話になった3冊の本をご紹介します.すべて図書館に所蔵しています.

スタディスキルズ―卒研・卒論から博士論文まで、研究生活サバイバルガイド

スタディスキルズ―卒研・卒論から博士論文まで、研究生活サバイバルガイド

 
理科系の作文技術 (中公新書 (624))

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

 

 

いかがでしたでしょうか?この5つで,きっと1年間の卒研生活を乗り越えられると思います.これが少しでも手助けになれば幸いです.

 

翌日の苫小牧高専 Advent Calendar 2016はぽつねんくんの日です.

*1:論文は最低50pは書きますが,うち頭20~30pは原理,またはそれに近いことを書きます.

*2:企業でTeXは使いません.ExcelExcel方眼紙含む),Word,PowerPointの3つが重要.

*3:学習コストの問題

*4:リーダブルコードがおすすめです.

国際航空宇宙展に行ってきました

2016年国際航空宇宙展,Japan International Aerospace Exhibition 2016(JA2016)が今月12日(水)~15日(土)の期間開催されました.

BtoBなイベントですが,業界の動向や,技術に触れるといった面で,大変勉強になる展示会でした.特に航空・宇宙産業は要求されるものが格段に違うことから,そういった面でもとても貴重な機会でした.

多くの展示物のなかで,特にNIPPI(日本航空機)のコイラブル伸縮マストが面白かったです.GFRPを採用し,そこそこの強度を確保している,とのこと.何かに使えないかな......

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また,写真はないのですが,Data Device Corporation製のモータドライバ・モータコントローラ,名刺より少し大きいくらいのサイズで,こんな高性能なの?!と驚くような製品でした.

北海道からはインターステラテクノロジーズも出展していて,今熱い宇宙開発の現場を垣間見ることができました.

 

他には屋外展示のF-35モックアップや,

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同じく,海上自衛隊UH-60J(48-4579機),

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ボーイング社のブースあたりの写真を.

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次は4年後,2020年の開催です.

ちなみに,来月にはJIMTOF(日本国際工作機械見本市)が開催されます.

図書館に新刊が入荷されていました(2016-08-10) その2

前回記事の続きです.

今回は無線関係から一冊,「写真で学ぶアンテナ」をご紹介します.

写真で学ぶアンテナ

写真で学ぶアンテナ

 

情報通信振興会(旧・電気通信振興会)が出版するこの本.数多くのアンテナについて,写真や構造図,動作原理,指向特性,給電方法などの詳解がされています.

アンテナの紹介範囲は放送や通信だけにとどまらず,航法用のLORAN,VOR,さらには電波望遠鏡にまで述べられています.

無線従事者の方やアマチュア無線家の方,少し具体的ですが陸上無線技術士・無線工学Bの対策,そして電磁気学,電磁波工学を勉強されている方にうってつけです.

図書館に新刊が入荷されていました(2016-08-10)

8月10日付で,多くの書籍が入荷されていました.

 

まずは,この本.

ΔΣ型アナログ/デジタル変換器入門

ΔΣ型アナログ/デジタル変換器入門

 

日本語で書かれた,数少ないΔΣ型変換器に関する本です.

基礎から丁寧に書かれているため大変難しいのですが,ΔΣ型変換器について十分理解することができる貴重な一冊です.

ちなみに,ΔΣ型について学ぶには,今や絶版ですが,

オーバーサンプリングA-D変換技術(湯川 彰著)

も非常に良い本です.

 

次に,この本.

電子戦の技術 通信電子戦編

電子戦の技術 通信電子戦編

 

電子戦の技術 基礎編

電子戦の技術 通信電子戦編

に続くシリーズ3冊目.趣味や一知識として読んでおいて損はない,面白い本です.

 

他にも多くのリクエスト本が入荷されていましたので,また改めてご紹介できればと思います.