卒業研究を行う上で重要な5つのこと
※この記事は苫小牧高専 Advent Calendar 201619日目の記事です.
僕が高専で今まで約8ヶ月卒業研究を行い,とくに重要だなと感じた5つのことをまとめてみました.
1.研究室メンバーとコミュニケーションをとる
4年も同じクラスにいたのになにを今更,と思うかもしれませんが,最低限研究の進捗度はお互い交換しておいたほうがよいです.
発表のスライドを見せ合ったりとか,研究を助けあったりとかetc...
2.原理を理解する
卒研は課題や宿題と違い,どんな実験をしたらいいか?に始まり,一つの論文としてまとめあげるまで,1年間すべて自力で行います.自分の研究テーマについて基本原理を理解していないと,そもそも実験を立ち上げられないですし,実験結果と理論とが合致しているかの比較もできませんし,論文執筆の時点でそうとう苦労する羽目になります*1.
どこまで理解すればいいか,これは難しいところですが,研究室メンバーに原理を話したとき,専門用語一語に至るまで完璧に理解してもらえるかを一つのラインとしていました.
ただし,判断が難しいのが,時間は有限であるということです.例えば就職する学生がTeXについて高いレベルで理解する必要があるか,と言われると,それよりはOfficeの使い方を*2,そもそもツールの学習に割ける時間はあるのか?となります*3.
3.多くの文献や人とふれる
そして原理を理解するためにはあらゆる手段を講じるべきです.先行研究や学会論文,トランジスタ技術などの雑誌類,専門書,Web記事といった文献調査もそうですし,研究室メンバーや指導教員,他学科の先生や外部の方々など誰かに聞いてみるのも手です.
聞くは一時の恥,聞かぬは一生の恥と言います.とにかく各方面にアンテナを伸ばしてみましょう.思わぬ発見につながるかもしれません.
4.実験過程を記録する
実験結果だけではなく,実験過程も事細かに記録しておきましょう.
プログラムにはコメントをしっかり書く*4,回路製作をするなら抵抗値やf特性の決定理由を残すなどなど......
実験を再現する必要が出たり,または資源を再利用しようとしたときに大いに役立ちます.
5.卒研担当教員とうまくお付き合いをする
たとえどんなに馬が合わない先生であっても,そこは1年間お世話になる身.うまくお付き合いしましょう.そうそう,進度報告はときに隠すことも重要です.僕ですか?していませんよそんなこと.
おすすめの文献
結構お世話になった3冊の本をご紹介します.すべて図書館に所蔵しています.
スタディスキルズ―卒研・卒論から博士論文まで、研究生活サバイバルガイド
- 作者: KathrynL. Allen,伊藤俊洋,黒澤麻美,伊藤佑子,吉田朱美
- 出版社/メーカー: 丸善
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 69回
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伝わるデザインの基本 よい資料を作るためのレイアウトのルール
- 作者: 高橋佑磨,片山なつ
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2014/08/14
- メディア: Kindle版
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いかがでしたでしょうか?この5つで,きっと1年間の卒研生活を乗り越えられると思います.これが少しでも手助けになれば幸いです.
翌日の苫小牧高専 Advent Calendar 2016はぽつねんくんの日です.
国際航空宇宙展に行ってきました
2016年国際航空宇宙展,Japan International Aerospace Exhibition 2016(JA2016)が今月12日(水)~15日(土)の期間開催されました.
BtoBなイベントですが,業界の動向や,技術に触れるといった面で,大変勉強になる展示会でした.特に航空・宇宙産業は要求されるものが格段に違うことから,そういった面でもとても貴重な機会でした.
多くの展示物のなかで,特にNIPPI(日本航空機)のコイラブル伸縮マストが面白かったです.GFRPを採用し,そこそこの強度を確保している,とのこと.何かに使えないかな......
また,写真はないのですが,Data Device Corporation製のモータドライバ・モータコントローラ,名刺より少し大きいくらいのサイズで,こんな高性能なの?!と驚くような製品でした.
北海道からはインターステラテクノロジーズも出展していて,今熱い宇宙開発の現場を垣間見ることができました.
同じく,海上自衛隊UH-60J(48-4579機),
ボーイング社のブースあたりの写真を.
次は4年後,2020年の開催です.
ちなみに,来月にはJIMTOF(日本国際工作機械見本市)が開催されます.
図書館に新刊が入荷されていました(2016-08-10)
8月10日付で,多くの書籍が入荷されていました.
まずは,この本.
日本語で書かれた,数少ないΔΣ型変換器に関する本です.
基礎から丁寧に書かれているため大変難しいのですが,ΔΣ型変換器について十分理解することができる貴重な一冊です.
ちなみに,ΔΣ型について学ぶには,今や絶版ですが,
も非常に良い本です.
次に,この本.
に続くシリーズ3冊目.趣味や一知識として読んでおいて損はない,面白い本です.
他にも多くのリクエスト本が入荷されていましたので,また改めてご紹介できればと思います.
図書館に新刊が入荷されていました(2016-07-19)
7月8日付で,多くの書籍が入荷されていました.その中の一冊です.
「もの」はどのようにつくられているのか? ―プロダクトデザインのプロセス事典 (Make: Japan Books)
- 作者: Chris Lefteri,田中浩也,水原文
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2014/05/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ひとつの加工法について,製品の具体例や,長所・短所,製造にかかる費用,時間,そして肝心な,使用できる材料,仕上がり精度について事細かに書かれています.
とにかく写真や図がふんだんに用いられており,加工法を容易くイメージすることが可能です.ページを読み進めるうちに,きっと「あっ,こういう作り方もあるのか」と感心することでしょう.
そしてさらに良いなと思うのが,本文中で同様の技法についてしっかりリンクが貼られていること,さらに本文以上に詳しい情報を得るためのWebサイト一覧が書かれていること.この2つがしっかりされているので,理解が捗ります.
元が洋書なので若干訳に癖がありますが,持っていて損はない,良い本だなと思いました.
切れ端が飛んでいかないニッパを買いました
電子部品のリードや,インシュロックといった部材の切断時,切れ端が飛ばないように手で押さえるかと思います.
そんな手間が省けるニッパを買いました.
飛散防止機能やリードキャッチャ,リードストッパ付きなんて呼ばれているジャンルの製品です.
このニッパ,刃先にバネがついていて,このバネが切断時に切れ端が飛ばないよう押さえる役割をします.
実際に使ってみたところ効果は抜群.格段に作業効率が上がりました.
刃先が小さいため普通のニッパと兼用する形になるかとは思いますが,値段も2,000円程度と安価で,持っていて損はない一品です.